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【第5回】Rajshree Pathy氏 Rajshree Group of Companiesチェアパーソン兼マネージングディレクター vol.3

Date 2019.07.16

インド経済界を代表する女性経営者で南インド大企業のオーナーでもあり、KAMA AYURVEDAの化粧品の会社を2002年に立ち上げた創業者としても知られるRajshreeさんが来日するとKAMAの社長から連絡を受け東京でお目にかかる機会を得ました。6月と7月にそれぞれ3日間づつ滞在されましたが、初めてお目にかかったときからすっかりその温かい人柄と聡明なお話にすっかり魅せられてしまいました。

現在はシンガポールとインド半々の生活を送り、8代続く砂糖産業の会社、自動車、繊維の会社の経営をしながら、Design India FoundationというTEDに似た非営利の財団をつくりデザインやアートの活動にも力をいれられています。

今回KAMAを立ち上げた経緯を含めRajshreeさんの考えるWell-BeingとHappinessに関してインタビューをさせていただきました。

谷家理香氏 株式会社ウェルビーイングTOKYO代表取締役
【第1回】高橋百合子氏 E.OCT株式会社代表取締役
【第2回】エドワード鈴木氏 鈴木エドワード建築設計事務所代表
【第3回】日沖健氏 日沖コンサルティング事務所代表
【第4回】杉山文野氏 トランスジェンダー活動家

私は私の人生を幸せできる

人生は挑戦に満ちています。私の人生哲学でもあるしアーユルヴェーダの人生哲学でもありますけれど、この人生を生きている間私は落ち込んだり、不幸せでいるのは辞めようと決意しています。誰も完璧ではないし、毎日いろいろなことがあるし、何か酷いことが起こることもあります。でも何か起こることには必ず意味があるのです。その時はその意味はわからないかもしれません。

谷家:そうですね、あとで振り返ってこういう意味だったんだ、と気が付くことがありますね。3年後に振り返って、今起こっていることと3年前に起こったことの意味が繋がるときがありますね。

Rajshree:そう、人間だれしも間違いは犯すし、どの人の人生は完璧ということはありません。でも大事なのはそうやって繋がっていく経験です。私はインド人ですので、インドの国を愛していますし、私はインドの一部でもあります。私は砂糖会社を通じて2つの学校を作りました。教育の機会の平等はとても大事なことだと考えているからです

谷家:幼稚園ですか?

Rajshree:幼稚園から小学校までの学校です。それは私にとっても新たな挑戦の旅でした。父が亡くなったとき1つ悟ったことがあります。1人の人生で全てをやることはできないのです。でもそう、子供たちがそれを引き継ぐかもしれない。だからすべての人にとって大事なのは・・・

谷家:挑戦すること?

Rajshree:そう! 挑戦し続けることがとても大事です。お金を稼ぐことはとても大切なことです。それは新たな選択と機会を与えてくれるから。他の人に頼む機会も与えてくれます。お金は力を与えてくれるものでもあります。

谷家:時に人とのコネクションも与えてくれますね。

Rajshree:今の世界では本当にたくさんのことがあります。機会や実現しなければならない大きなアイデアとか。私が仕事をする上でたった1つとても大切にしている信条は、その仕事が人生を確かにするものでなくてはならないということです。

アーユルヴェーダを世界に広げる

谷家:KAMA AYURVEDAが立ち上がったのは2002年ですね。その時すでにお父様の砂糖会社を継いでいらしてビジネスも拡大されていたとおもいますが、どうしてアーユルヴェーダの化粧品を立ち上げようとおもったのですか?

Rajshree:私はその時アーユルヴェーダの化粧品のパッケージから処方に関するアイデアまで、このビジネスのアイデアすべてを持っていたのです。アーユルヴェーダの素晴らしい英知をKAMAを通じて世界に紹介したいとおもっていました。KAMA AYURVEDAは世界で初のアーユルヴェーダの古典的な処方にのっとった商品で、アーユルヴェーダの純粋なエッセンスを取り込んだ製品なのです。でも私自身がこのビジネスを広げる時間がなかった。だからVivek(現社長)たち3人の若者がこのビジネスに興味を持ってくれて本当に嬉しかったのです。だから私は株主として出資しアドヴァイスをする立場で参加しました。

谷家:あなたは実際にアーユルヴェーダのすばらしさを体験として知っていらっしゃったんですか?その実際の体験をベースにアーユルヴェーダの製品を世界に広げたいとおもわれたということですね。

Rajshree: そうです。私にはアーユルヴェーダの基礎的知識がありました。私の家では代々アーユルヴェーダが受け継がれていたからです。アーユルヴェーダは私の故郷南インドのケララが発祥の地です。私の母も私もアーユルヴェーダに小さいときからずっと慣れ親しんでいます。

よく覚えているのが、私が10歳だったとき熱と咳と喉の痛みがあったとき、母がアーユルヴェーダのドクターのところで連れていってくれました。ドクターは椅子に私を座らせて簡単な問診と手の平を見た後、脈をとりました。(アーユルヴェーダには熟練したドクターは脈診という脈で健康状態がすべてわかるという診断をします。)それでドクターはライム、オリーブや、いろいろなハーブをボトルにミックスさせて生薬を作ってくれました。それを家に帰って飲んでゆっくり睡眠をとった翌日、すべてが驚くほどよくなっていたのです。本当にとってもそれが効いたのです。

それ以来、今でも私はアスピリンなど飲みませんし、抗生物質もよほど具合が悪くなければとらず、アーユルヴェーダに頼っています。こういったアーユルヴェーダのハーブのほうがずっと体には安全だと思います。もしコインバトールに来たら、私の96歳の叔母に会ってみてください。彼女は生涯を通じてずっとアーユルヴェーダを実践していて、毎年必ず同じ病院に3週間滞在し、アーユルヴェーダのオイルマッサージなどの健康療法に出かけています。そして自宅に毎週1回オイルマッサージをしてくれる女性を呼びアーユルヴェーダのオイルマッサージをしてもらっています。そして本当に今も健康で肌もとても綺麗です。

今現代社会は自然なことを好む人とそうではない人と二極化しているように思います。これは健康に関する問題なのです。あなたが良い事をして、健康になりたくて、ポジティブなエネルギーが欲しいと思ったらKAMAを使ってください。(笑)


谷家:あなたにはとっても沢山のミッションがありますね。


Rajshree:そうです、使命がたくさんあるのです。私はインド、シンガポール、そのほか世界中動きまわっています。すべて続けていかなければならないと感じています。

幸せかどうかは自分で決めること

谷家:それでは本題のインタビューに入らせてください。はじめの質問は。。「どういう時に幸せだと感じますか?」

Rajshree:私は幸せとは心のありようであり「自分自身の選択」だと思っています。私たちは自分が「幸せ」であるのか「不幸」であるか選ぶ事ができるのです。だから私は「幸せ」であることを選ぶと決めたのです。誰にも完璧な人生なんてありません、でも誰にでも喜ぶべきことは沢山あります。私たちは人生のポジティブな面にもっとフォーカスしなければなりません。そうすれば、私たちはもっといろいろ責任が果たせるし、そして私たちの世界にいる人たちの幸せにもっとずっと貢献できるようになりますから。

谷家:Rajshreeさんのお話うかがっているととっても勇気がありますよね。そしてとても強い「意思」と「リーダーシップ」を感じます。あなたのプラクリティはピッタでしょ(笑)(アーユルヴェーダではピッタは火の性質といわれています。)

Rajshree:ありがとう、それは嬉しいです。私はサバイバーです。そうね、たぶん私の性質はピッタね。(笑)

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